谷川連峰の時計回りの馬蹄形縦走とは土合から出発し、土合(→トマの耳→蓮ヒュッテ→清水峠→朝日岳→土合と時計回りに稜線を1周する縦走ルートです。 今回はテント泊の縦走で蓮ヒュッテ付近にテント泊の合計2日間で縦走を行いました!
谷川連峰馬蹄形の縦走をやってみようかなあと考えている方などの参考になれば幸いです!
=== 目次 ===
(参考) 当サイトのソロ登山記録記事について
当サイトのソロ登山記録のカテゴリの記事についての情報を記載しています。
実際の登山記録は次以降のセクションに記載しているので、興味ない方は飛ばしてください。
記事まとめページ
他の登山記録などをまとめた一覧ページは以下です。
よろしければ、他の登山記録の記事もご覧ください。
(作成中)
タイトルの数字
タイトルの数字については、記事の整理のために以下の三百名山の本の数字を使用しています(以下の本は三百名山の一覧やそれぞれの山の情報が整理されており、非常にオススメです!)。
リンク
山と高原地図の標準タイムの引用について
当サイトの登山記録の記事においては、私が実際に登山にかかった時間と昭文社様の「山の高原地図」に記載された標準タイムを記載しています。
これは記事作成のための引用であり、著作権法で許された引用の範囲で使用していると考えていますが、昭文社様よりご指摘があった場合には予告なく記事の内容を訂正する場合があります。(というか、山と高原地図はめちゃくちゃ便利なので、みんな買ってほしい!笑)
リンク
車でのアクセスについて
車でのアクセスは非常に良いです。今回は白毛門登山口駐車場を使用しましたが、水上ICから車で22分で、ICから駐車場まで完全舗装されています(冬季もスタッドレスで完全に十分です)。
土合(①)~谷川岳ロープウェイ降り場(③)
ここからは実際の登山の記録を紹介します!まずは下記地図の土合(①)~谷川岳ロープウェイ降り場(③)について記載します。
今回はゴールとなる谷川岳ロープウェイ乗り場近くにある白毛門登山口駐車場に車を停めて出発しました。
白毛門登山口駐車場は20台程度の駐車が可能で、無料で使用できます。
白毛門登山口駐車場には下図のように馬蹄形の概念図が立っています。 地図だけ見ていると簡単そうに思えましたが、実際に歩いてみると死ぬほどキツかったです笑
詳しくはのちほど~。
「真の馬蹄形とはロープウェイを使用しないんだ!」という志の高い方もいるかもしれませんが、今回はテント装備を抱えていて、疲れるのでロープウェイを使用します。ごめんね。
谷川岳ロープウェイはおおむね一年中利用することができます(私は冬季登山でも使用したことがあります)。
この記事を書いているときですと、大人片道1,800円で利用することができます(ちょっと高い気もしますが、楽さを金で買っているのですからしょうがないですね…)
ちなみに谷川岳ロープウェイの駐車場は有料かつ入場時間が決まっているので注意しましょう。
今回は白毛門登山口駐車場に車を停めたので、谷川岳ロープウェイの搭乗口までは歩きです。
と言っても、アスファルトで舗装された道を5~10分程度なので全くキツくはありません。どちらかというと曲がり角などで車に轢かれないように気をつけるべきでしょう笑
谷川岳ロープウェイに乗ってのんびりしていると降り場である天神平に到着です。
一応、参考でタイムを書いておくと、駐車場を7:36に出発して、天神平に8:07到着でした。
(参考) 車でアクセスした場合、ロープウェイには始発で乗りましょう
補足です。ロープウェイを使用して、谷川岳のオキの耳/トマの耳を目指す場合にはロープウェイの始発に乗るようにしましょう。
理由は混むからです。
谷川岳は東京などの都心部からアクセスが良いこともあって、かなり混みます。
また、登山道が広くはないので基本的には譲っていただけなければ追い抜きはできません。
そのため、そこそこにハイペースで登る人が始発以外のロープウェイに乗ると結構イライラするかもしれません。
よって、車でアクセスした場合はロープウェイの始発に乗ることをオススメします。
電車でのアクセスの場合には始発には間に合わないので、残念ながら諦めてのんびり登りましょう。
天神平(③)~トマの耳(④)~オキの耳(⑤)
続いて、下記地図の天神平(③)~トマの耳(④)~オキの耳(⑤)について紹介します。トマの耳までの経路の3/4までは樹木に囲まれた普通の登山風景となります。
視界が開けたとしても下図ぐらいです。
経路の約3/4地点である「天狗の留まり場」を超えると下図のように、森林限界を超えて、視界が広がって気持ち良いです。
足元はこんな感じの岩肌が多いです。
前述しましたが、谷川岳が登山客が多い(+ 初心者も多い)のでこのあたりで渋滞し易いので早い時間帯に行くと良いです。
私は谷川岳(トマの耳/オキの耳)は1年間に何回か登るぐらいに登り慣れているのですが、8月にテント泊装備を背負って登るのは、とにかく暑い+重いで意外としんどかったですね。
やっぱり谷川岳は標高はそこまで高くないので、熱中症や体力の消耗に気をつけたほうが良いなあと思いました。
そんなことを思っていたらトマの耳に到着です。
続いてオキの耳を目指します。
下図はトマの耳~オキの耳の登山路を撮った写真です。
ここの若干ナイフエッジな稜線がお気に入りです。
稜線から新潟方面を撮った写真です。森林限界の一面緑色の景色が気持ち良いですね。
オキの耳に到着です。
トマの耳~オキの耳は10分程度しかかかりません。また、特に危険な箇所はありません。
天神平08:07 → オキの耳10:20で所要時間2:13でした(休憩込み)。
参考として山と高原地図のこのルートの標準タイムを書いておくと2:25のようです。早いと良いことがある訳ではありませんが、テント泊装備を背負っていることを考えると良いペースで登れています。
オキの耳(⑤)~一ノ倉岳(⑥)~茂倉岳(⑦)
普段の谷川岳登山ならここで終わりで下山ですが、今回は馬蹄形なのでこの先に進んでいきます。
次は地図の⑥の一ノ倉岳を目指します。
登山道の様子は下図のような感じ。ここからはずっと岩肌の稜線歩きになります。
多少アップダウンのあるものの気持ちが良い稜線歩きが続きます。
途中で「ノゾキ」と呼ばれる場所に到達。
除いてみると下図のような感じ。吸い込まれるような美しい風景です。
稜線歩きを楽しんでいると一ノ倉岳に到着。そこまでキツくはありませでした。
今回は完全に足元が乾いていたので良かったですが、谷川岳付近の岩は水に濡れるとヌルヌルする岩が多いので、濡れていると結構難しい岩肌稜線歩きになるのかもしれません。
続いて地図上の⑦の茂倉岳も目指します。
このあたりからは岩肌が減ってきて、丸みを帯びた感じの足元になります。
雰囲気としは巻機山に近い感じですかね。ちょっと移動しただけで雰囲気が変わって非常に面白いです。
そんな稜線の変化を楽しんでいると茂倉岳に到着。
オキの耳(⑤)~茂倉岳(⑥)の所要時間は10:20 → 11:54で1:34でした。
ちなみに山と高原地図の標準タイムも1:20でした。
昼食はコンビニおにぎりを買ってきていたので、茂倉岳で食べました。
このあたりまで来るとほとんど登山者はおらず、茂倉岳で20分ぐらいまったりしていても3人ぐらいしか人を見かけませんでした。
茂倉岳(⑦)~武能岳(⑧)
腹ごしらえをしたら地図上の⑧の武能岳を目指します。
ここからはほとんど人とすれ違わなくなるので少し怖かったです笑
特に特筆すべきこともなく武能岳に到着。
茂倉岳(⑦)~武能岳(⑧)で12:10→13:20で1:10かかりました。
山と高原地図の標準タイムは1:40でした。
武能岳(⑧)~蓮ヒュッテ付近(⑨)
引き続き丸みを帯びた山肌に高山植物が茂った道が続きます。
のんびり歩いていると土樽との分岐に遭遇。
ここから土樽駅まで歩いていけるそうです。すごいですね~
そんなこんなで蓮ヒュッテ付近のテント泊に良さそうな場所に到着。 武能岳(⑧)~蓮ヒュッテ付近(⑨)で13:20→13:55で所要時間0:35かかりました。
山と高原地図の標準タイムは0:40でした。
14時にテント予定地に到着できたのでかなり良いスケジュール管理ができました。
蓮ヒュッテ付近(⑨)にテント泊
1日目は蓮ヒュッテ付近のこの場所にテントを設置して明日に備えます。ちなみに、この場所は蓮ヒュッテの管理地ではなく(蓮ヒュッテにテント場はない)、ただの空き地なので注意しましょう(※何かあっても蓮ヒュッテに問い合わせてはいけません)。
ただし、トイレは有料で借りることができます。
テントを設置した様子です。
使用しているの以下のオクトスの1人用テントです。総重量約1.8 kgで、収納時に非常にコンパクトなサイズになるのでオススメです。
リンク
ちなみにさきほどの土樽への道を5分程度下山すると水場があります(山と高原地図に記載あり)。
テント泊を背負って頑張ったバイアスはあるかもしれませんが、尋常ではないほど美味しかったです!
あと、この水場がないと次に水を汲めるのは清水峠付近で、ここで水が湧いていなかった場合は、撤退も考えていたので、水がきちんと湧いていて良かったです。
そこそこの勢いで湧いていました。
水場から帰ってきてら睡魔に襲われて起きたらもう夕方でした。
蓮ヒュッテでトイレを借りたところ、私が寝ている間に5人程度のお客さんが来ているようでした。ちなみに、テント泊は私だけでした。
夕食はアルファ米の容器にフリーズドライのスープの元をつっこんで、そこにお湯を流し込んで食べました。
この方法だと皿洗いが必要なく、食器の分のテント泊装備も減らせるのでオススメです(ちょっと味気ないですが…)
リンク
リンク
写真を取り忘れましたが、日が暮れると満点の星空で絶景でした。
眠くなるまでその星空を肴にウォッカを飲んでました(テント泊の醍醐味で最高です…)。
1日目はこれで終了です。
2日目: 蓮ヒュッテ付近(⑨)~七ツ小屋山(⑩)~清水峠(⑪)
昨日と同じようなアルファ米+フリーズドライスープの雑炊で朝飯を済ませたら、水場で水を汲んで(3L程度汲みました)、テントを片付けて、2日目開始です。
まずは、七ツ小屋山(⑩)および清水峠(⑪)を目指します。
蓮ヒュッテを少し離れた撮った写真です。
この馬蹄形で最も素晴らしい景色をひとつ選ぶならば、私はこの朝日に輝く谷川岳を選ぶというぐらい素晴らしい景色でした。
あまりの美しさに、ここで数分足を止めて、眺めてましたね笑
丸みを帯びた山肌に高山植物が茂った道が引き続き続きます。
このあたりは朝露で下半身がビチャビチャになりました。 真夏だったのでそのままいきましたが、気温が高くなければ下半身だけレインコートを着た方が良いかもしれません。
気づいたら、清水峠と大源太山(新潟方向)との分岐点に到着。
七ツ小屋山はどこか分かりませんでした…
大源太山の写真です。切り立ってますね~
私は一度行ったことがありますが、一部で垂直に近い鎖場があって、そこそこ怖い山です(あとよく滑る)。
引き続き、清水峠を目指します。
このあたりから池塘がポツポツと増え始めます。
再度、蓮ヒュッテ方面を振り返って写真を撮りました。
歩いてきた稜線がはっきり分かって感無量です。
そんなこんなで清水峠に到着です。
下図は送電線の監視所らしいです。東京電力の持ち物なのかな?
避難小屋も併設されています。
蓮ヒュッテ付近(⑨)~清水峠(⑪)で6:01 → 7:42の所要時間1:41で到着です。
山と高原地図だと所要時間2:00でした。
清水峠(⑪)~ジャンクションピーク(⑫)~朝日岳(⑬)
清水峠から少し離れた撮った写真です。のどかで良いですね~
ジャンクションピークまでの道は土っぽい足元なのですが、若干崩れかかっていて登りづらいです。
アップで足元を撮るとこんな感じ。
正直言って、ジャンクションピークまでの道がこの馬蹄形時計回りで一番きつかったです。登りづらい&あまり景色が良くありません…
霧が出てきました。晴れの予報とは言え、山の天気なので少し心配…
霧の中の悪い道をひたすらに進むとジャンクションピークとおぼしき地点に到着。一応ここから巻機山や大水上山(利根川の水源地)まで歩いていけるそうです。ただし、山と高原地図上では点線扱いです。
ジャンクションピークを過ぎると、ある程度整備されていて歩きやすいです。
池塘の風景も広がります。白毛門から朝日岳へ登るルートへ何回か登ったことがあるのですが、いつもすぐ下山してしまうので、このあたりの風景は新鮮です。
朝日岳に到着。
前述の通り、朝日岳には何回か登ったことがあるのがですが、馬蹄形のルートで到達するとまた違った趣があって最高です。
(白毛門~朝日岳往復は12時間程度かかるので日帰りでいく場合はそこそこ体力に自信がないと難しいかもしれません)
清水峠(⑪)~朝日岳(⑬)で7:41→10:11で所要時間は2:30でした。
山と高原地図の標準タイムだと2:35のようです。
朝日岳(⑬)~笹ヶ岳(⑭)~白毛門(⑮)
朝日岳を出発して笹ヶ岳(⑭)および白毛門(⑮)を目指します。
朝日岳から白毛門方面を撮った写真です。 若干ガスっていて残念ですが、白い砂と緑のコントラストが素晴らしくて、私が朝日岳登山で一番好きな場所のひとつです。
笹ヶ岳に到着。完全にガスちゃってますね…
途中で2人組の登山者とすれ違いました。2日目はこの2人としかすれ違いませんでした…
そのまま進むと白毛門に到着。
このあたりから霧が晴れて視界が広がるようになりました。
谷川岳方面を撮影。左の猫のような2つのピークがオキの耳/トマの耳です。あそこから自分の足だけで歩いてきたと思うとすごいですね~
朝日岳(⑬)~白毛門(⑮)で10:11→12:28で所要時間は2:18でした。
山と高原地図の標準タイムだと2:00のようです。
白毛門(⑮)~土合(①)
あとは駐車場まで下山します。
あとはただ下山するだけなのですが白毛門~土合の下山ルートは高低差のある道に加えて、木しか見えない、2.5時間程度かかるという感じで、結構地獄です。
写真としては以下のような感じです。ただの低山登山が延々と続く感じでめちゃくちゃキツいです。
そのまま頑張って下山完了。
最初に見た馬蹄形の概念図さんを見てこの経路を歩けたんだなあと余韻に浸りました。
白毛門(⑮)~土合(①)で12:28→15:11で所要時間は2:53でした。
山と高原地図の標準タイムだと2:25のようです。
まとめ
この記事ではソロで谷川連峰の時計回り馬蹄形の縦走したときの様子を紹介しました。所要時間は1日目 が6時間11分、2日目が9時間10分でした。
勝手に点数をつけると以下のような感じだと思います。
- 必要体力: ★★★★★
- 危険度: ★★★☆☆
- 景色: ★★★★★
- 登山口へのアクセス: ★★★★★
- 総合満足度: ★★★★★
体力さえあれば、登山口へのアクセスも良く、鎖場などの危険な場所もありませんので、非常にオススメの縦走路です。
とくかく景色は素晴らしいの一言で、谷川岳ファンには一度はトライしてみてほしい縦走路です。
ただし、危険度★3にしたのはあまりにも人がいないためです。一応、携帯電話の電波は入るので大丈夫かと思いますが、ソロで事故ったときに延々と誰も通ってくれないので、気絶するとそのまま死にます笑
逆に静けさを追い求める人にはオススメの縦走路ではあります。
最後にまとめると、景色最高で大満足の縦走になりました!!!
いつかは逆時計回りの馬蹄形もやってみたいですね(朝日岳までの登山道がキツすぎますが…)
リンク
リンク