
アプリのインストール数を伸ばすひとつの方法としては、
「こつこつとアプリの完成度を上げるorニーズを満たし、レビュー評価を上昇させて検索上位になるようにする」というものがあります。
この方法はアプリのダウンロード数を伸ばす上で極めて効果が大きいのですが、
いかんせん、時間がかかりすぎます。
もっと短期間でアプリのダウンロード数を増やす方法はないのでしょうか?
より短期間で効果が狙える方法としては「ASO」というものがあります。
この記事ではAndroidアプリ開発初心者向けに「ASOとは何か?」「その効果は?」「実施すべき項目」などについて紹介したいと思います。
※ちなみにこの記事はGoogle Play向けに書きますが、App Storeでも同じような話が成立しますよ!
=== 目次 ===
ASOとは何か?

ASOとは「App Store Optimization」の略です。
字からも分かりますが、「アプリストアでの最適化」という意味ですね。
詳細は後で紹介しますが、行為としては以下のようなものを指します。
- 検索上位に表示させるように工夫する
- アプリページを開いたあとにダウンロードされやすくなるように工夫する
では、なぜASOが必要なのでしょうか?
このあとのサブセクションではそれを詳しく見ていきましょう。
アプリのインストール数のほとんどはGoogle Playの検索から
アプリをインストールする際は、通常はGoogle Playのアプリページからインストールします。(※厳密には、勝手に人のapkをアップロードして公開する野良アプリサイトからapkを直接インストールされることもありますが、少数ですので、ここでは除外します)
では、アプリページへはどのようにしてたどり着くのが多いのでしょうか?
Google Play Consoleではその統計結果を取得することができます。
ここでは私の公開しているアプリのうちのひとつの結果を記載します。
アプリページへはどのように到達したか?(私の公開アプリのうちのひとつ)
私の公開しているアプリのうちのひとつについて、アプリページへどのように到達したか?は以下のようになっていました。どこからアプリページに到達した? | 割合 |
Google Playの検索フォームから | 98.8% |
Google.co.jpやGoogle.comの検索結果から | 0.1% |
他サイト(SNSやアプリレビューサイト)から | 1.2% |
上記の表から、アプリページへの到達はGoogle Playの検索フォームからが圧倒的であることが分かります。
よって、ASOによってGoogle Play検索フォームからアプリページへできるだけ到達させるのが重要となります。
アプリページを開かせたあとも重要
さきほどのサブセクションから検索上位に表示させる重要性が分かりました。しかし、ASOはこれで終わりではありません。
アプリページを開いたあとに実際にダウンロードしてもらえるようにする必要性があります。
では、次のセクションではASOの効果を紹介します。
ASOの効果

でも、「本当にASOって効果があるの?」と思う方のために、効果の例を紹介したいと思います。
下は私のアプリページにおいてASOを実施する前後でのアプリのダウンロード数推移をグラフにしたものです。
(グラフは縦軸がダウンロード数、横軸が日付です。特定が怖いのでダウンロード数は伏せます)

グラフを見ると、途中から急に右肩上がりになっている箇所があることが分かります。
何をしたか?
実は右肩上がりになる直前にASOを実施し、アプリページをModifyしていたんですね。
ダウンロード数は伏せていますが、
このアプリではASOの1ヶ月前と1ヶ月後で1日あたりのダウンロード数がおおよそ倍になりました!
これは私の一例ですが、少なくともASOは明らかに効果がある!!ということが分かりますね。
ASOの実施すべき項目

キーワードの選定
これはSEOと同じですが、「どのようなキーワードで検索されるか?」を推定し、キーワードを選定しましょう。
例えば、公開したばかりの「XXX」という名前の「名刺を写真として自動的に保管・整理してくるアプリ」があったとしましょう。
この公開したばかりのアプリで「ツール」や「ビジネス」といったビッグキーワードを狙うのははっきり言って無謀です。
これらのキーワードで検索しても、あなたのアプリは検索上位に表示されることなどなく、数十ページ後に表示されるでしょう。
一方で「名刺 写真」や「名刺 整理」などといった
複数のキーワードを組み合わせた範囲の狭いキーワードであれば、
検索上位に表示される可能性がぐっと高まります。
このようにダウンロードされやすい かつ あなたのアプリの特徴を捉えた キーワードを選定する必要があります。
実際にキーワードの選定が完了したら、ASOに活かしてきましょう。
アプリタイトル
実は、Google Playでのアプリタイトルはapk内のアプリタイトルと異なるものにしても大丈夫です。(※常識的に考えれば分かりますが、アプリ内容を誤認させるようなものはダメ)
よって、Google PlayのアプリタイトルもASOとして使用することができます。
文字数の制限はありますが、さきほど選定したキーワードを入れるようにしましょう。
さきほどの例でいくと、「名刺を自動で保存!整理! – XXX」のような感じです。
注意としては、横幅サイズの小さいスマホではアプリタイトルの全体は表示されず前半しか表示されないことがあります。
よって、アプリタイトルの前半にアプリページを開きたくなるようなキーワードを入れることが重要です。
概要文
概要文のさきほどのアプリタイトルと同じように選定したキーワードを入れていきましょう。こちらはアプリタイトルと比べて文字数制限が緩いので、
しっかりとアプリの内容についても触れて、
ダウンロードしたくなるような文章としましょう。
詳しい説明
「詳しい説明」については選定したキーワードには触れつつも、「アプリページを開いた人がいかにダウンロードしたくなるか?」をベースに編集していきます。
結構なダウンロード数がある場合はダウンロード数に触れても良いです。
ツール系のアプリであれば、機能を網羅して書いておくと良いです。
構成としては以下のような感じをオススメします。
概要
概要
概要 特記すべき特徴機能/面白さ
特記すべき特徴機能/面白さ
特記すべき特徴機能/面白さ 詳細
詳細
詳細
スクリーンショット
スクリーンショット欄に単純にAndroidのスクリーンショット機能で取得した画像を載せてはいませんか?アプリページのスクリーンショット欄は最も効果的な宣伝スペースです。
なぜならば、
検索結果にアプリが表示されたときに、スクリーンショットは最も面積が大きく、
ユーザに対して多くの情報を与えることができるからです。
例としては下図のような感じでスクリーンショット+キャッチコピーとすると良いと思います。

アイコン
アイコンはひと目で見てアプリの内容に沿っているものとしましょう。アイコンは単純に見えて、非常にASOとして効果があります。
定期的に変更して、どのようなアイコンが効果があるか?を調査していきましょう。
ちなみに、アイコンもタイトルと同じようにapkのものとは異なるものを設定可能です。
なので、「アプリページのアイコンだけ変更して、ダウンロード数の推移を調査する」ことも可能です。
リリースノート
まさか!と思う方もいるかもしれませんが、実はリリースノートも立派な宣伝スペースです。
あまりにリリースノートからかけ離れたことを書くとお叱りを受けるでしょうが、
例えば「○○ヶ月連続アップデート中!」といった、
積極的にサポートを行っている旨をアピールすることができます。
レビューへの回答
アプリの検索結果でいかに上位に表示されるか?はキーワードのマッチ以外にもレビュー結果やダウンロード数が重視されます。
ここではレビューについて話していきます。
レビューに関して、
検索上位で表示されるにはレビューの平均値だけではなく、レビュー数も重要になります。
ではレビューを増やすにはどうしたら良いのでしょうか?
例として、今あなたがとあるアプリについて、レビューをしようか迷っているとしましょう。
その際に、
1. レビューにまったく返信しない開発者のアプリ
2. レビューに返信をしてくれる開発者のアプリ
のどっちにレビューをしたくなりますか?
答えは当然2.ですね。
なので、レビューを増やすためにも、
定型文でも良いのでしっかりと回答してきましょう。
また、最近のアップデートで、
レビューは高評価レビューと低評価レビューの2つが最初に表示されるようになりました。
なので、低評価のレビューにも真摯に回答すると良いでしょう。
アプリ内でレビューへのリンクを貼ることも効果的
アプリ内のレビューへのリンクを貼ったり、レビューをお願いするようなダイアログを表示するのも
レビューを増やすうえで効果的です。
もっとも、その際はユーザを不快にさせるものではあってはいけません。
低評価されてしまいますよ!!!笑
ASO以前に全世界対応を

それはアプリの全世界対応(英語)対応です。
以下に例として、日本語と英語にローカライズしている私のアプリの国別のダウンロード割合を示します。
国名 | ダウンロード割合 |
日本 | 24.9% |
アメリカ | 14.0% |
ドイツ | 7.0% |
インド | 6.2% |
イギリス | 3.6% |
もっとも多いのは日本ですが、それでも1/4もありません。
つまり、私のこのアプリは全世界(英語)に対応していなければ今の25%しかダウンロードされなかったことになります。
このようにアプリのダウンロード数において、
ローカライズ対応は極めて重要であり、必須と言っても良いでしょう。
アプリのローカライズについては時間のあるときにまとめようと思いますが、
String型のローカライズ対応であれば以下の記事にまとめています。
まとめ
この記事では、アプリのダウンロードを伸ばす方法として、「ASOとは何か?」「その効果は?」「実施すべき項目」などを紹介しました。
もし、アプリを公開したけど全然ダウンロードされずに困っている方がいましたら、
この記事を参考にされてはいかがでしょうか?